画面描画が荒れる(BGAハンダクラック)

GeForce6000~9000番あたりまでによくある症状です。
グラフィックコントローラのBGAパッケージを留めるハンダを、いわゆる鉛フリーハンダに換えた頃の代物で、ハンダクラックや接続不良が発生する事例が多々発生しています。
appleやSONYなどはそのためにリコール騒ぎにもなってたりしますが、大半の製品が有償修理扱いだったり、壊れたから処分とされてたりします。
BGAという面実装のハンダ付けの場合、リフロー炉と呼ばれる加熱炉があれば簡単なのですが、一般的には一筋縄ではいきません・・・が、
世の中いろいろと試される方が多いようで、人によっては基板をオーブントースターに入れてハンダ溶融させるという冗談みたいな方法で治す方もいらっしゃいますw
さて、今回の代物
ユニットコム(当時アロシステム)製ノートPC UN601GW
中身はECSのP53INというOEM用ベアボーンノート
IMG00072.jpg
現象は先述の通り、BIOSレベルで画面に縦線びっちり
IMG00070.jpg
Windowsを起動させようとしても、グラフィックコントローラが死にかけてるので、グラフィックドライバを読み込んだ段階でブルーバックです。
ユニットコムとは取引があるので、まずユニットコムのサポートへ問い合わせ
回答が帰ってきました。
「部品終息につき修理不能となります」
さすが売りっぱなしのところヽ(´ー`)ノ
2007年のモデルなので5年、PCの部品サイクルのなんと短いことか・・・
さて、正規手段は絶たれましたので、独自法でやるため、さくっと開けてみます。
MXM IIというノートPC用グラフィックコントローラモジュール基板を使っています。
IMG00073.jpg
MXM II規格の他のグラボが有れば最悪逃げられます。
海外サイト等でまだ調達ができそうです。
ということで、逃げ道を確保できたので
このグラフィックボードを外して炙ります。
私のやり方はこれ
IMG00071.jpg
工業用ヒートガンでじっくりと。
ハンダが溶ける頃合いは勘と経験でやるしかありません。
温度センサーだのタイマーだのリッチな物は持ち合わせていませんので・・・w
高温で炙りすぎると回路破損させてしまいますし、低温だとハンダが溶けません。
暖めた後急冷させるとハンダクラックの元になるので、じっくりと冷まします。
そして装着。
復活!
このノートPC、型番で検索すると出る出る同じ症状・・・
同業者の皆様も同じことやってますねw
ちなみにBGAタイプのハンダクラックはGeForceだけの問題じゃありません。
昨今の各コントローラやチップセット、CPUソケット等は、ヒートシンクを装着するにあたり、バネやクリップなどの圧力で上から常に押される状態にあり、接触面が微妙に歪んだ状態で保持されてしまいます。
そのため、経年劣化によってハンダにクラックが入り、そのまま沈黙してしまうことが多々あります。
荒療治でよろしければ今回のように炙って回復を試みるのも一手でしょう。

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